DSpace
東京歯科大学 | 図書館

2013年01月16日

「第5回 SPARC Japan セミナー2012」出張報告

いるかです。

閲覧係の阿部さんが、「第5回 SPARC Japan セミナー2012」に参加してきたので、報告してもらいました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第5回 SPARC Japan セミナー2012
平成24年10月26日(金)10:00〜16:30 国立情報学研究所
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

生命科学はどうしたらオープンになるか 有田 正規(東京大学大学院理学系研究科 生物化学専攻)
http://www.nii.ac.jp/sparc/event/2012/20121026.html#arita-abstract
http://www.nii.ac.jp/sparc/event/2012/flv/20121026_4.flv

日本の生命科学界はとても「オープン」と言える状況とは言えず、決してオープンアクセスを支持しているわけではない。研究成果を上げるには経営者的にエラくなるのが一番であり、インパクトファクター偏重である。CNS(Cell・Nature・Scienceに投稿したい)症候群と言うこともできる。では、なぜ生命科学界でオープンアクセスが盛んなのかと言えば、PLOS Oneに代表されるように、IFが高いからであり、OA誌はかっこいい、というノリもあると言える。では、今後の科学はどうなっていくかと言えば、データの囲い込み、研究クラブ、研究者=特権階級という「伝統サイエンス」から「オープンサイエンス」へ移行するであろう。その時、学術雑誌は「研究同人誌」から「研究報告書」へと変わっていくはずである。また、学術雑誌はGold OAが主流となることにより、研究者と出版社が直接つながり、図書館にゲートキーパーとしての役割はなくなるであろう。今後はレーティング(いいね!とか)がゲートキーパーの役割を果たすはずである。つまり、ジャーナルもウェブもフラットになるわけだが、よりクオリティの高いものを残すにはブランドを考える必要がある。FBやtwitterのような評価体制をどのようにアカデミアに取り込むかを考える必要があるわけだが、その時には資金が問題になる。Basic Income(基本資金)を若手も含めて、すべての研究者に与えて、評価された人に資金が集まる仕組みを作ってはどうだろうか?長期的にはJ1、J2の入れ替え戦のように、研究費もコンペティションをすべきだろう。

OAをきっかけとして、学術情報流通のみならず、「科学」そのものが変化していくことが見られるとはすごい時代だと思う。「オープン」な時代はすぐそこまで来ており、研究者もその意識の改革が迫られていることが分かった。そのような変換期の中でOAが図書館にもたらすものは何か?図書館が果たす役割とは何か?を見極め、今後の方向性を定めていく必要があると感じた。

第5回 SPARC Japan セミナー2012
「Open Access Week − 日本におけるオープンアクセス,この10年これからの10年」
http://www.nii.ac.jp/sparc/event/2012/20121026.html

阿部さん、お疲れ様でした。
posted by irucaa at 10:12| 出張報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする